日本初、「LNG燃料 内航貨物船」命名・竣工
共有船主である株式会社テクノ中部、協同海運株式会社、弊社が株式会社JERA向けの貨物を輸送するために建造中の内航船舶の命名竣工式が、12月10日に檜垣造船株式会社波方工場で執り行われました。
式典では、株式会社JERAの小野田 聡 代表取締役社長が「いせ みらい」と命名し、同ご令室による「支綱切断」の後、船名が晴れやかに披露されました。
式典には、環境省から白石 隆夫 大臣官房審議官、国土交通省から多門 勝良 海事局次長にご臨席いただき、共有船主からは、株式会社テクノ中部の深澤 元喜 代表取締役社長、協同海運株式会社の西村 譲治 代表取締役社長、弊社の中島 正歳 代表取締役社長らが出席しました。
本船は、四日市港にある中部コールセンター株式会社から衣浦港にあるJERA碧南火力発電所への内航輸送等に従事する予定で、現在就航中の「いせ・きょうえい」の代替として位置付けられております。
本船は、船舶からのCO2排出量の大幅削減のため、LNG燃料のガスエンジンおよび供給システムにおける燃焼効率の最適化を図る技術実証を行う事業として、環境省および国土交通省の「代替燃料活用による船舶からのCO2排出削減対策モデル事業」の支援により建造されました。LNG燃料船は、内航貨物船としては、日本初の建造、就航となります。
本船へのLNG燃料供給方法は、中部電力グループ会社である株式会社シーエナジーのLNGタンクローリーにLNGを積込、移送して四日市港霞ふ頭で供給する「Truck to Ship方式」と、JERA川越火力発電所に貯蔵してあるLNGを内航桟橋から直接供給する「Shore to Ship方式」の2方法で実施する予定です。
LNG燃料は、一般的な船舶燃料である重油に比べ、温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)の排出を24%程度抑え、大気汚染の原因となるSOx(硫黄酸化物)の排出はほぼ100%、NOx(窒素酸化物)の排出は40~70%程度少ない低環境負荷エネルギーとして有力な代替燃料として注目されており、2020年1月1日から始まっているIMO(国際海事機関(国連の専門機関))が定めた「SOx Global Cap規制」にも対応可能な燃料です。
共有船主3社は、今後とも、船舶輸送における環境負荷の低減に貢献し、安全運航・安全荷役を継続していきます。
【本船概要】
総トン数 | : 6,550トン |
全長 | : 118.86メートル |
全幅 | : 18.0メートル |
主機関 | : IHI原動機 「8MG28AHX-DF」(Dual Fuelエンジン) |
造船所 | : 檜垣造船株式会社 |